窓は壁と比べて厚みが薄く、材質も振動が伝わりやすいガラスが中心ということから、騒音対策の難易度が高いといえます。一番効果的な騒音対策が窓を埋めて壁にすることだとしたら、開閉機能を維持しながら対策をするのが難しいのも頷けます。ガラスは1枚よりも2枚、3枚と多い方が騒音対策の効果も上がりますし、1枚あたりの厚みもまた窓の遮音性能に直結します。一方、サッシも金属製は音が響いて伝わりやすいですが、近年主流になりつつある樹脂製であれば騒音が伝わりにくくなります。

つまりガラスの枚数を増やして厚みも増し、サッシを金属から樹脂に置き換えれば、騒音は小さくなるというわけです。窓の騒音対策はリフォームができるなら工事をするのがベストですが、賃貸物件の場合は勝手に手を加えるわけにもいかないです。原状回復を念頭に置きながらの対策となるので、できることは限られますが、DIYレベルでも可能な騒音対策はあります。ポイントとなるのは窓の内側に層を設けることで、吸音や遮音といった機能を持つ板を設置することで、原状回復に支障をきたさない対策が実現します。

吸音材は音のエネルギーを吸収して弱めるので、その後ろに遮音材があるとかなり音が遮られて小さくなります。各層共に厚みがあるほど効果も増しますし、層を増やすことでも効果を引き上げられるので、予算が許す限り性能アップが図れます。注意点としては全面的に覆わなければ効果が半減すること、透明以外の素材を用いると採光できなくなることが挙げられます。